自分の情報を守るためにできること
まずは、いつも使うメールのパスワードを、ほかのサービスでも使っていないか確認してみましょう。覚えるのが大変なパスワードは、スマホやパソコンのアプリに保存できます。できそうなことから、1つずつ始めてみてください。
すでに流出の通知や不審な利用がある場合は、被害に遭ったときの対処法を先に確認してください。
パスワードを使い回さず、アプリに覚えてもらう
通販サイトとメールで同じパスワードを使っていませんか。どちらかからパスワードが漏れると、もう一方にも勝手にログインされるおそれがあります。サービスごとに違うパスワードにしておくと、被害が広がるのを防ぎやすくなります。
全部を自分で覚える必要はありません。「パスワード管理アプリ」を使うと、複雑なパスワードを作って保存できます。ログインするときに、アプリに入力してもらうこともできます。
MacやiPhoneなら、まず「パスワード」アプリを開いてみましょう。MacはmacOS Sequoia 15以降、iPhoneはiOS 18以降で使えます。ChromeやAndroidを使っている人は、「Google パスワード マネージャー」から始められます。
パスワードが漏れる
ログインされるおそれ
パスワードが漏れる
Aのパスワードでは入れない
サービスごとに違うパスワードを作り、アプリに保存。
| ツール | こんな使い方に | 無料で使える範囲 |
|---|---|---|
| Apple「パスワード」 | MacやiPhoneを使っている人に。パスワードを作り、保存して、ログイン時に入力できます。 | 対応するMacやiPhoneに入っている機能です。追加料金はかかりません。 |
| Google パスワード マネージャー | ChromeやAndroidを使っている人に。パスワードを作り、保存して、ログイン時に入力できます。 | 無料で使えます。 |
| Proton Pass | パスワードと、登録用の別のメールアドレスをまとめて管理したい人に。パソコンとスマホで使えます。 | 無料で始められます。登録用の別のメールアドレスは10個まで。数を増やす場合などは有料です。 |
| Bitwarden | Windows、Mac、スマホなどで同じパスワード管理アプリを使いたい人に。 | 無料で始められます。一部の追加機能は有料です。 |
- 使うアプリを1つ決めます。すでにパスワードを保存しているアプリがあれば、それを開いてみましょう。新しく入れる場合は、提供元の公式サイトや公式のアプリストアから入れます。
- まず、いつも使うメールのパスワードを見直します。同じものをほかでも使っていたら、メールの公式サイトで別のパスワードに変え、アプリに保存します。メールは、ほかのサービスでパスワードを忘れたときにも使うので、先に守っておきましょう。
- 次に、AppleやGoogleのアカウント、よく使うサービスも見直します。同じパスワードを使っているものは、それぞれ違うものに変えて保存します。
パスワードを変える場所は、各サービスの公式サイトです。管理アプリに保存した文字を書き換えるだけでは変更できません。管理アプリ自体にログインするためのパスワードも、ほかと同じものにしないでください。
登録用のメールアドレスを作る
新しい通販サイトなどに登録するとき、いつものメールアドレスを教えたくないことはありませんか。そんなときは、登録用の別のアドレスを作れるサービスが役立ちます。そこに届いたメールは、いつもの受信箱に届けてもらえます。
例えば、通販A用と通販B用に別々のアドレスを作ります。A用に迷惑メールが増えたら、A用だけを止められます。ただし、注文のお知らせなども届かなくなるので、先に通販Aの登録アドレスを変更しておきます。
この機能は「メールエイリアス」などと呼ばれます。Proton Passでは「Hide-my-email aliases」が無料で10個まで使えます。Appleでは「メールを非公開」という名前で、iCloud+などの対象の有料サービスに入っている人が使えます。
通販サイトに、いつものメールアドレスを教えずに登録できます。
- 利用するサービスで、登録用のアドレスを1つ作ります。「通販A用」など、使い道が分かる名前を付けておきましょう。
- 作ったアドレスを通販サイトなどに登録し、確認メールがいつもの受信箱に届くか確かめます。登録したアドレスは、パスワードと一緒に保存しておきます。
- 使わなくなったアドレスを止める前に、注文や契約の連絡、ログイン、パスワードを忘れたときの連絡に使っていないか確認します。必要な連絡がある場合は、先に登録先のアドレスを変えましょう。
いつものアドレスに「+shop」などを足す方法もありますが、それでは元のアドレスが分かってしまいます。隠したい場合は、サービスが作る別のアドレスを使いましょう。メールに返信するときも、元のアドレスが相手に見えないよう、サービスの説明を確認してください。登録した氏名や住所まで隠せる機能ではなく、すでに渡した情報も消えません。
「パスキー」が使えたら、指紋や顔でログインする
「パスキー」は、パスワードを入力せずにログインする方法です。スマホなどのロックを解除するときと同じように、指紋や顔、暗証番号を使います。使えるサービスやスマホ・パソコンは限られますが、偽のサイトにパスワードを入力して盗まれる危険を減らせます。
- 使っているサービスの公式サイトやアプリを開きます。設定の「セキュリティ」などの中に、「パスキー」があるか探してみましょう。
- 見つかったら、画面の案内に沿って設定します。自分専用のスマホやパソコンを使い、家族と共用のものや、借りたものには設定しないでください。
- どのアプリやアカウントにパスキーが保存されたか確かめます。設定できたら、次のログインで使えるか試してみましょう。
スマホを失くしたときに、どうすればまたログインできるかも確認しておきましょう。パスキーを設定しても、以前のパスワードがそのまま使える場合があります。扱いはサービスごとに異なります。
ログインの確認を増やし、スマホの紛失にも備える
パスワードの入力に加えて、スマホのアプリに出る確認用の数字を入れる方法があります。これを「2段階認証」や「多要素認証」と呼びます。設定しておくと、パスワードを知られただけでは、他人がログインしにくくなります。
ただし、確認に使うスマホを失くすと、自分もログインできなくなることがあります。設定するときに、スマホがなくてもログインできる方法を用意しておきましょう。
確認用の数字は、対応するサービスならAppleの「パスワード」などでも表示できます。Proton Passのこの機能は有料です。パスワードと一緒に管理すると便利ですが、そのアプリを開けなくなったときのために、予備のコードは別の場所にも保管してください。
予備のコードは、印刷して安全な場所に置くなど、スマホの外にも保管。
予備のコードを発行できるサービスでの例です。コードは人に教えないでください。
- まず、メールとパスワード管理アプリの設定で「2段階認証」などを探します。画面の案内に沿って設定しましょう。
- 「バックアップコード」が表示されたら、印刷するなどして安全な場所に保管します。これは、いつもの方法でログインできないときに使う予備のコードです。スマホの中だけに保存しないようにしましょう。
- アカウントを取り戻すための連絡先も確認します。古い電話番号や、もう使っていないメールアドレスが登録されていたら、更新しておきます。
自分でログインしようとしていないのに確認が届いたら、許可しないでください。確認用のコードは人に教えず、メールやSMSのリンクから開いた画面にそのまま入力しないでください。
パスワードの警告が出ていないか見る
Appleの「パスワード」やGoogle パスワード マネージャーは、「同じパスワードを使っている」「推測されやすい」「漏れたことがある」といった問題を知らせてくれます。通知が来たら、いつものアプリを自分で開いて確かめましょう。
- Appleの「パスワード」では、安全性についての警告を確認します。Google パスワード マネージャーでは、「チェックアップ」を開きます。
- 警告が出たサービスの公式サイトを開き、パスワードを変えます。同じパスワードをほかでも使っていたら、そちらも別のものに変えましょう。
- 身に覚えのないログインや請求も見つかったら、通知や利用履歴を保存します。このサイトの「被害に遭ったら」で、その後の対応を確認してください。
警告だけでは、どの会社から情報が漏れたかは分かりません。また、警告が出ていなくても、漏れていないとは言い切れません。
スマホやパソコンに、ロックと更新を設定する
パスワードを保存しているスマホやパソコン自体も守りましょう。誰かに勝手に開かれないためのロックと、安全性の問題を直すための更新が基本です。
- スマホやパソコンの設定で、システムやアプリの更新を確認します。自動で更新できるものは、その設定をオンにしておきましょう。
- 画面を開くときに、暗証番号や指紋などが必要になるように設定します。パソコンから席を離れるときも、画面をロックしましょう。家族で使うパソコンは、利用者ごとにアカウントを分けます。
- 大切な写真や書類は、別の場所にもコピーを残します。これが「バックアップ」です。スマホやパソコンが壊れたときに、どこから取り戻せるかも確認しておきましょう。
ここで紹介した対策をしても、登録先の会社から情報が漏れることはあります。それでも、普段渡す情報を減らしたり、ほかのサービスまで被害が広がるのを抑えたりする備えになります。
流出や不正利用に気づいたら、被害に遭ったときの対処法へ。事案ごとの公式案内は、各事案の記事に掲載しています。