こんにちは。AIを効率的に使うならSkillを入れた方がいいとよく言われていますよね。
実際、Agent Skillを探し始めるとかなりの数が見つかります。
ですが、何でもかんでも入れればいいというわけではありません。むしろ古い手順に固定化して無駄を生み出す可能性もあります。
そこで今回は、僕が実際に使っている中で「これは汎用的かつ長期的に使えて良い」と思うものを4つピックアップして紹介しようと思います。
Agent Skill自体の仕組みは、以前書いたAgent Skillの解説記事をご覧ください。
Skillを選ぶ基準
僕がSkillを選ぶ上で重要視しているのは以下のポイントです。
- 汎用的であること
- 陳腐化しにくいこと
- 特定のツール、文脈、環境に依存しすぎていないこと
Skillを入れて一番避けたいのは、「モデルやハーネス側の進化により、むしろSkillがない方が出力が良い」ことです。
例えば少し前に独自に作られたPowerPointやPDFを操作するためのスキルが流行っていましたが、今はCodexにもClaude Codeにも標準でそれらを操作するスキルが含まれています。AIの中身を知っているOpenAIやAnthropic側が整備したスキルの方が精度は高いはずです。
下手にSkillを入れすぎているとこのような問題があるため、なるべく汎用的で環境の変化に影響されにくいものがおすすめだなと感じています。
1. 認知負荷を削ぎ落とす:japanese-tech-writingとcognitive-rhythm-writing
japanese-tech-writingとcognitive-rhythm-writingの2つは、それぞれAIが出力する日本語の質を上げるSkillです。技術書出版社のラムダノート株式会社・代表取締役である鹿野桂一郎氏が作成し、公開したものです。
それぞれ以下のような役割です。
japanese-tech-writing:文章の正確さと論理構造を整える。用語、段落、根拠、冗長さを管理し、誤読されにくい技術文書を作る。cognitive-rhythm-writing:読者が読み続けられる流れを作る。問い、具体例、文の長短、段落の密度を調整し、単調さを防ぐ。
cognitive-rhythm-writingは作業前にjapanese-tech-writingを読むことが前提になっているため、セットで導入することをおすすめします。
実際に同じ質問に対して出力させたものです。試しに読んでみてください。
スキルなし:https://chatgpt.com/share/6a604031-6044-83ee-8923-437be20017ec
スキルあり:https://chatgpt.com/share/6a603f7d-45c0-83ee-9a00-09059dd46278
特に指定せずAIに文章を出力させると、情報を細かく区切った「百科事典型」になりやすいです。一方、スキルがあると仕組みや論理を順番につなげた「技術書型」の出力になり読みやすさが格段に向上します。
百科事典型の方が好ましい場面もあるため常に後者の方が優れているとまでは言いませんが、AIの利用頻度が高いなら認知負荷の問題は避けては通れないのでこのスキルを試してみて欲しいです。
これらのスキルは導入用のコマンドは用意されていませんが、以下のように指示すれば導入ができます。
1下記の2つのスキルをグローバルにインストールしてください。
2https://gist.githubusercontent.com/k16shikano/fd287c3133457c4fd8f5601d34aa817d/raw/209db7d6d19bc4727139844c0e8d786542e9ff68/SKILL.md
3https://gist.githubusercontent.com/k16shikano/eb2929f13ed19c97188393d297be8432/raw/a3b1e26beced71d582e13314fb6f5b179b023c76/SKILL.md2. 計画の抜け漏れをゼロに:grill-me
grill-meは、自分に対して計画や設計に厳しい質問を投げさせることで曖昧な部分を明らかにするSkillです。
新しい企画、機能設計、サイト構成、長期の作業計画を固める前に使うのがおすすめです。
企画や設計をAIエージェントに依頼し、返ってきた計画をレビューして実行したのにうまくいかないことって結構ありますよね。
それは大事な前提が抜けたままでもAIはそれらしい計画を作れてしまうからです。
grill-meを使うと、例えば、
- 誰の問題を解くのか
- 成功を何で判断するのか
- 例外をどこまで扱うのか
など、根本的な問いの部分の不足を質問として返します。
人間がまだ決めていないことを見つける使い方です。
僕も実際に使っていますが、かなりの数の質問へ答えなければならず負担は軽くありません。しかしその分抜け漏れが非常に少なくなりました。
また、質問の回答を繰り返すと「最初に何を決めておくべきか」がだんだんわかってくるので自分の設計能力が上がったりします。
導入コマンドは以下です。
1npx skills add https://github.com/mattpocock/skills --skill grill-me3. AIの脳に最新リファレンスを接続する:Context7
Context7は、AIエージェントにライブラリや開発ツールの新しいドキュメントを参照させるためのツールです。
ReactやNext.js、Cloudflareなどを使ってコーディングする人にはかなりおすすめです。
AIの出力はどうしても学習時点までの情報に依存します。もちろんWeb検索を行い最新情報を参照しようとはしますが、それでも存在しないAPIや古い書き方を自信満々に出力することはいまだにあります。
ライブラリ側の更新が速いと、コード自体はきれいなのに全く動かないことも珍しくありません。
Context7を使うと以下のような情報を取得してからAIに回答させられます。
- 現在のドキュメント
- 指定したバージョンのドキュメント
- そのバージョンに対応したコード例
僕がContext7をおすすめする一番の理由は、特定のライブラリ専用ではないことです。
React用、WordPress用、Cloudflare用とSkillを個別に入れていくのではなく、必要なときにそのツールの新しい情報を取りに行く能力を追加できます。どの言語・ライブラリを使っても、公式ドキュメントに則った書き方をしてくれるようになりました。
ただし、Context7に収録されている情報にはコミュニティから提供されたものもあります。
仕様やセキュリティに関わる部分は取得元の公式ドキュメントも確認してください。
導入コマンドは以下です。Node.js 18以降が必要で、実行後にCLIとSkillを使う方法かMCPを使う方法かを選べます。
1npx ctx7 setupより詳しくはこちらをご覧ください。

4. Webページを一撃取得:ax
axは、AIエージェントがWebページを取得、確認、抽出するためのCLIです。
記事の下調べや資料確認をAIに任せることが多い人におすすめです。
AIエージェントがWebページを確認するとき、よく使われるのがcurlというコマンドです。WebページのHTMLを取得するものですが、いくつか弱点があります。
- JavaScript主体のサイトだとそもそもまともにデータが取れないことがある
- ページ全体を取得するため、余計なメニューや広告部分の情報も含まれてしまい無駄が多い
- 必要な部分だけを抜き出すためにAIがその場限りのスクリプトを作り始めることもある
axでは、
- うまく情報が取得できなかった場合は、AIにブラウザ操作へ切り替えるよう指示を出す
- WebページをMarkdownとして読み、ページの構造を確認して見出しなど必要な項目だけを抽出する
と、非常に効率よく動作してくれます。
僕はAIによく正しい情報かどうかを確認させるのですが、そこでaxがかなり機能しています。安定して最新情報を取ってくるので手戻りがかなりなくなりました。
axは初めから専用のSkillが用意されているので合わせて導入するのがおすすめです。公式で案内されているコマンドは以下です。
1curl -fsSL https://ax.yusuke.run/install | sh
2npx skills add yusukebe/axこの4つはとりあえず入れておけばOK
今回紹介した4項目はAIを使っているなら全員とりあえず入れていいレベルだと思っています。
僕も全て入れた状態で使っています。再掲になりますが、
- 汎用的であること
- 陳腐化しにくいこと
- 特定のツール、文脈、環境に依存しすぎていないこと
の判断基準で選んだものです。
何を入れるか迷っているならまずはこの4項目を入れておけばOKです。