AIに伝わるダッシュボード設計 — 5つのパーツ × 4つの型で構造を指示する方法【コピペ可能なプロンプト付き】

AIに伝わるダッシュボード設計 — 5つのパーツ × 4つの型で構造を指示する方法【コピペ可能なプロンプト付き】

こんにちは。

前回は、AIにサイトの構造を伝えるとき、名前のあるレイアウトパターンを使うと骨格がしっかりする という話を書きました。

https://ai.itokoba.com/archives/335
ai.itokoba.com

今回はその中でも特にニーズの多い「ダッシュボード」に絞って深掘りします。

ダッシュボードには固有の構成要素があり、それを名前で伝えるとAIの出力精度が大きく上がります。

構成要素の語彙と、用途別のプロンプト例をまとめていきます。

「ダッシュボード作って」だけだとなぜ微妙になるのか

AIに ダッシュボードを作ってください と頼むと、それっぽい画面は返ってきます。カードが並び、グラフが入り、色も整っている。

ですが、何を見せたいのか、どこを強調したいのかが定まっていない画面 になりやすいです。

たとえば同じ「ECダッシュボード」でも、売上状況を俯瞰したいのか、在庫状況を監視したいのかで、画面の構造は全然違います。売上なら数値カードとグラフが主役ですし、在庫ならテーブルとステータス表示が中心です。

AIはこの「何のためのダッシュボードか」を勝手には決めてくれません。だから、構造を伝える語彙が要るわけです。

セカヤサ
セカヤサ
前回のレイアウト記事でも「名前で伝える」のが大事だと書きましたが、ダッシュボードでも同じです。むしろダッシュボードこそパーツの名前を伝えることが重要です。

ダッシュボードを構成する5つのパーツ

ダッシュボードは、いくつかの定番パーツの組み合わせでできています。まずはこの5つを覚えてしまいましょう。

1. KPIカード(KPI Card)

画面の上部に、主要な数値カードを横並びで並べるエリアです。売上、ユーザー数、コンバージョン率など、いちばん見たい指標をここに置きます。

各カードには ラベル(何の指標か)、数値(現在の値)、前期比(増減と方向)を入れるのが基本です。AIには KPI Cardを4枚横並びで配置してください のように伝えると通りやすいです。

売上 ¥1,240,000 ▲ +12.3% ユーザー数 8,421 ▲ +5.2% CV率 3.2% ▼ -0.4% 直帰率 42.1% ▼ -2.1% KPI Card

2. フィルターバー(Filter Bar)

期間選択、カテゴリ絞り込み、検索ボックスなどを1行にまとめるエリアです。KPIカードの直上か直下に置くことが多いですね。

AIには フィルターバーを配置し、期間選択(7日/30日/90日)とカテゴリのドロップダウンを横並びにしてください のように、何を絞り込むかも一緒に伝えると精度が上がります。

7日 30日 90日 カテゴリ 検索… Filter Bar

3. グラフエリア(Chart Area)

折れ線グラフ、棒グラフ、円グラフなど、データの可視化を置くゾーンです。1つのカードに1つのグラフを入れ、横に並べたりグリッドで並べたりします。

グラフエリアに、左にPV推移の折れ線グラフ、右に流入元の円グラフを配置してください のように、グラフの種類とデータの内容をセットで書くのがコツです。

PV推移 50K 30K 10K 1月 2月 3月 4月 5月 6月 流入元 検索 55% SNS 30% 直接 15% Chart Area

4. データテーブル(Data Table)

一覧データを表形式で見せるエリアです。注文一覧、ユーザー一覧、ページ別のPVランキングなど。ソート、ステータスバッジ、ページネーションといった要素を含むことが多いです。

AIに伝えるときは データテーブルに、注文ID・顧客名・金額・ステータス・日時の列を作り、5行分のサンプルデータを入れてください のように、列名とデータ例を書くと確実です。

注文一覧 注文ID 顧客名 金額 ステータス 日時 #1042 田中太郎 ¥12,800 完了 3/15 #1041 佐藤花子 ¥8,400 発送中 3/14 #1040 鈴木一郎 ¥23,100 完了 3/14 #1039 高橋美咲 ¥5,600 保留 3/13 Data Table

5. アクティビティフィード(Activity Feed)

最近の動き、通知、タスクリストなど、時系列で追いたい情報をまとめるエリアです。メインコンテンツの右側やチャートの横に配置するのが一般的です。

右側にアクティビティフィードを配置し、直近のアクションを時系列で5件表示してください と伝えればOKです。

最近のアクティビティ 新しい記事を公開しました 3分前 コメントに返信しました 1時間前 メディアを3件アップロード 3時間前 プラグインを更新しました 昨日 Activity Feed

この5つを知っていれば、たいていのダッシュボードの構造を言葉で説明できます。次は、これらの組み合わせパターンを見ていきましょう。

用途別ダッシュボードの型 4選

5つのパーツを覚えたら、あとは用途に合わせて組み合わせるだけです。ここでは代表的な4つの型を紹介します。それぞれにレイアウト例とコピペ可能なプロンプトを付けました。

アナリティクス型(Analytics Dashboard)

PV、コンバージョン、流入元分析など、数値の推移を俯瞰したいときに向いています。KPIカード + フィルターバー + グラフエリア + データテーブルの組み合わせが定番です。

レイアウト例:

Analytics ダッシュボード レポート ユーザー 設定 アクセス解析 期間: 30日 PV 45,200 +12% ユーザー 8,340 +8% 直帰率 42.1% -3% 平均滞在 2:45 +15% PV推移 流入元 検索 55% SNS 30% 直接 15% 人気ページ ページ名 PV 直帰率 平均滞在 AIプロンプト設計の基礎ガイド 5,230 38.2% 3:12 ダッシュボード活用事例10選 4,120 41.5% 2:58 データ可視化ベストプラクティス 3,850 44.8% 2:34 チャートUI設計パターン集 2,940 39.7% 3:05 Analytics Dashboard

プロンプト例:

1Webサイトのアクセス解析ダッシュボードをHTMLで作ってください。
2
3## ルール
4- 日本語UI、デスクトップ幅、1画面完結、スクロールなし。
5- Sidebar Layoutで、左にナビゲーション(ダッシュボード / レポート / ユーザー / 設定)、右にメインコンテンツの構成にしてください。
6- メインエリアの構成は上から順に以下の通りです。
7  - フィルターバー: 期間選択(7日 / 30日 / 90日)のボタン切り替えを右寄せで配置。
8  - KPI Card: 4枚のカードを横並び(PV: 45,200 +12%、ユーザー: 8,340 +8%、直帰率: 42.1% -3%、平均滞在: 2:45 +15%)。
9  - グラフエリア: 左にPV推移の折れ線グラフ(大きめ)、右に流入元の円グラフ。
10  - データテーブル: 人気ページ一覧(ページ名、PV、直帰率、平均滞在時間)を4行表示。
11
12デザインはMaterial Designを踏襲して、カードUI、余白広め、視覚階層を明確にしてください。

管理画面型(Admin Dashboard)

ブログ管理、CMS、ユーザー管理など、日常的に操作する管理画面です。KPIカードで状況を把握し、データテーブルで操作し、アクティビティフィードで最近の動きを確認する、という流れになります。

レイアウト例:

BlogAdmin ダッシュボード 投稿一覧 メディア コメント 設定 外観 プラグイン ユーザー A 管理者 ダッシュボード + 新規投稿 公開記事 128 +5 今月 今月のPV 34.5K +12.3% コメント 24 +3 下書き 12 変動なし 最近の投稿 タイトル ステータス PV 更新日 AIダッシュボード設計入門 公開済み 1,240 3/15 プロンプトエンジニアリング実践 公開済み 980 3/14 Material Design 3 配色ガイド 下書き 3/13 LLMを活用した記事生成ワークフロー 予約中 3/12 アクティビティ 新しい記事を公開しました 3分前 コメントに返信しました 1時間前 メディアを3件アップロード 3時間前 プラグインを更新しました 昨日 Admin Dashboard

プロンプト例:

1ブログ管理画面のダッシュボードをHTMLで作ってください。
2
3## ルール
4- 日本語UI、デスクトップ幅、1画面完結、スクロールなし。
5- Sidebar Layoutで、左にナビゲーション(ダッシュボード / 投稿一覧 / メディア / コメント / 設定セクション: 外観 / プラグイン / ユーザー)、右にメインコンテンツの構成にしてください。
6- メインエリアの構成は上から順に以下の通りです。
7  - ヘッダー: 「ダッシュボード」タイトルと「新規投稿」ボタン。
8  - KPI Card: 4枚のカードを横並び(公開記事: 128 +5今月、今月のPV: 34.5K +12.3%、コメント: 24 +3、下書き: 12 変動なし)。
9  - 横並び2カード: 左に「最近の投稿」データテーブル(タイトル、ステータスバッジ、PV、更新日)4行、右に「アクティビティ」パネル(タイムライン形式で4件)。
10
11デザインはMaterial Designを踏襲して、カードUI、余白広め、視覚階層を明確にしてください。

モニタリング型(Monitoring Dashboard)

サーバー稼働率、レスポンスタイム、エラーログなど、リアルタイムの状態監視に使います。KPIカードにステータスインジケータ(緑/黄/赤)を付けるのが特徴です。異常があればひと目でわかるように。

レイアウト例:

M サーバーモニタリング 正常稼働 稼働率 99.97% レスポンス 142ms エラー率 0.3% アクティブ 1,204 CPU使用率 48% メモリ使用率 72% 直近のアラート メモリ使用率が80%を超えました Warning 14:23 レスポンスが200msを超過 Warning 13:45 エラー率が一時的に上昇 Critical 12:30 サーバー再起動完了 Resolved 11:00 Monitoring Dashboard

プロンプト例:

1サーバー監視ダッシュボードをHTMLで作ってください。
2
3## ルール
4- 日本語UI、デスクトップ幅、1画面完結、スクロールなし。
5- Sidebar Layoutで、左にアイコンのみの細いナビバー(64px幅)、右にメインコンテンツの構成にしてください。
6- メインエリアの構成は上から順に以下の通りです。
7  - ヘッダー: 「サーバーモニタリング」タイトルと稼働ステータスインジケータ(緑の丸 + 正常稼働)。
8  - KPI Card: 4枚のカードを横並び。各カード上部にステータスカラーバーを付けてください(稼働率: 99.97% 緑、レスポンス: 142ms 緑、エラー率: 0.3% 黄、アクティブ: 1,204 緑)。
9  - グラフエリア: 左にCPU使用率のリアルタイム折れ線グラフ、右にメモリ使用率の折れ線グラフ。
10  - アラートリスト: 「直近のアラート」としてseverity色(緑/黄/赤)、メッセージ、時刻を4件表示。
11
12デザインはMaterial Designを踏襲して、落ち着いた業務UIにしてください。

ECダッシュボード型(E-commerce Dashboard)

売上推移、注文管理、在庫状況など、ECサイトの運営に使うダッシュボードです。KPIカードに売上と注文数を並べ、チャートでトレンドを可視化し、データテーブルで最新注文を管理する構成です。

レイアウト例:

EC Store ダッシュボード 商品管理 注文管理 顧客 レポート ストア管理者 admin@ecstore.jp 売上ダッシュボード 今日 今週 今月 今日の売上 ¥342,800 +18% 注文数 47件 +12% 平均単価 ¥7,293 +5% カート放棄率 68% -2% 売上推移 カテゴリ別売上 ファッション ¥1.2M 雑貨 ¥890K 食品 ¥640K 家電 ¥450K 最新注文 注文ID 顧客名 金額 ステータス 日時 #EC-4521 田中 美咲 ¥24,800 配送済み 03/17 14:32 #EC-4520 佐藤 健一 ¥8,900 処理中 03/17 13:15 #EC-4519 山田 花子 ¥15,200 配送済み 03/17 11:48 #EC-4518 鈴木 太郎 ¥3,400 キャンセル 03/17 09:22 E-commerce Dashboard

プロンプト例:

1ECサイトの売上ダッシュボードをHTMLで作ってください。
2
3## ルール
4- 日本語UI、デスクトップ幅、1画面完結、スクロールなし。
5- Sidebar Layoutで、左にナビゲーション(ダッシュボード / 商品管理 / 注文管理 / 顧客 / レポート)、右にメインコンテンツの構成にしてください。
6- メインエリアの構成は上から順に以下の通りです。
7  - フィルターバー: 期間切り替えボタン(今日 / 今週 / 今月)を右寄せで配置。
8  - KPI Card: 4枚のカードを横並び(今日の売上: ¥342,800 +18%、注文数: 47件 +12%、平均単価: ¥7,293 +5%、カート放棄率: 68% -2%)。
9  - グラフエリア: 左に売上推移の棒グラフ(大きめ)、右にカテゴリ別売上の横棒グラフ。
10  - データテーブル: 最新注文一覧(注文ID、顧客名、金額、ステータスバッジ、日時)を4行表示。
11
12デザインはMaterial Designを踏襲して、カードUI、余白広め、視覚階層を明確にしてください。

プロンプトの精度を上げる3つのコツ

ここまでで構成要素と型がそろいました。最後に、ダッシュボードプロンプト全般に使えるコツを3つまとめます。

(1) パーツ名で構成を指示する

「上にカードを並べて、その下にグラフを置いて…」と位置だけで説明するより、KPI Cardを4枚横並びで配置し、その下にグラフエリアを置いてください とパーツ名を使った方が、AIの解釈がブレにくくなります。

前回の記事で紹介したレイアウトパターンの語彙と同じ考え方です。名前があるだけで、伝わり方が変わります。

(2) ダミーデータを入れる

「KPIカードを4枚」だけだと、AIはラベルも値も適当に埋めます。PV: 45,200 +12% のように具体的な数値を渡すと、カードのサイズ感やフォントの大きさまで自然に調整してくれます。

プロンプトに入れるダミーデータは、実際の数値でなくてOKです。 桁数と文字数が近ければ、AIはそれを元に適切なレイアウトを組んでくれます。

(3) シリーズの概念を組み合わせる

このシリーズで紹介してきた概念は、重ねて使うとさらに効果的です。

  • レイアウトパターン前回の記事): 画面全体の骨格を決める → Sidebar Layout
  • ダッシュボード構成要素(本記事): 中身のパーツを指定する → KPI Card + Chart Area
  • デザインスタイルデザインスタイル編): 見た目の雰囲気を決める → Material Design

この3つを1つのプロンプトに入れると、AIは骨格・中身・見た目のすべてを把握した上でUIを組めます。ここまで揃えれば、1回のプロンプトでかなり精度の高いダッシュボードが出てくるはずです。

「そこまで細かく書くのは面倒では?」と思った方もいると思います。ですが、一度書いたプロンプトはテンプレートとして使い回せます。最初だけ丁寧に書けば、次回以降はデータと用途を差し替えるだけで済みます。

まとめ

というわけで、AIにダッシュボードを作らせるときのプロンプト設計について解説しました。

ダッシュボードにはKPIカードフィルターバーグラフエリアデータテーブルアクティビティフィードという定番の構成要素があります。これらを名前で指定し、用途に合わせて組み合わせることで、AIの出力はぐっと安定します。

まずは4つの型(アナリティクス / 管理画面 / モニタリング / EC)から近いものを選んで、プロンプトをコピーして試してみてください。データを自分のものに差し替えるだけで、かなり実用的なダッシュボードが手に入るはずです。

シリーズの過去記事もあわせてご覧ください。

AIにサイトの見た目を伝えるなら、まず「名前のあるデザインスタイル」を使おう
AIにサイトの見た目を伝えるなら、まず「名前のあるデザインスタイル」を使おう
AIにサイトの見た目をうまく伝えるには、「おしゃれにして」ではなく名前のあるデザインスタイルを使うのが近道です。Material Designを起点に、代表的なスタイルと選び方をやさしく整理します。
ai.itokoba.com
https://ai.itokoba.com/archives/300
ai.itokoba.com
https://ai.itokoba.com/archives/335
ai.itokoba.com